目黒 真二(著)
A5判 312頁 並製
定価 2,640円 (内消費税 240円)
ISBN978-4-903238-74-6 C3055
在庫あり
奥付の初版発行年月 2011年09月 書店発売日 2011年09月08日 登録日 2011年08月13日
人気の高い音楽制作ソフトCubase6の最新解説書。DTM初心者やはじめて使う人に焦点を当てて、とにかく1曲作ってみるところからスタートしていく。高度な機能や新機能なども、具体的に使用方法を解説した実践的内容。
DAWソフト(DTMソフト)の代表格とも言われるCubase(キューベース)。その最新版、Cubase6を上手に活用するための手法が書かれている。
本書は、はじめてCubase6を使う人が、どうやって周辺機器と接続し、ソフトを使っていったらいいのかといった基本中の基本から説明。さらに、機能を端から説明するのではなく、「まずは1曲作ってみる」というスタンスのもと、実際に音楽を1曲仕上げるまでの道筋を、Cubase6の環境設定や、オーディオ、MIDIなどの設定も含めて丁寧に説明する。
基本を抑えてから、さらに高度な機能や手法、新搭載のHALION SONIC SEの活用方法、また利用者が多いギター録音に関するテクニックなどを多彩に紹介。また、実際に困ってしまう人が多い事項なども特に取り上げて説明している。
■序章 著者のシステム
オーディオインターフェイス
MIDIインターフェイス
モニター(スピーカー、ヘッドフォン)
設定
環境設定の確認
オーディオとMIDIの設定
VSTコネクション
〈僕流製作便利術〉マイクはどこに置く?
■操作の基本1 とにかく1曲作ってみよう
テンプレートでとりあえず1曲!
インストゥルメントトラックの操作
オーディオトラックの操作
曲の仕上げミックスダウン
保存/終了と試聴
補足1 Cubaseでのウィンドウの表示について
〈僕流製作便利術〉データ受け渡し今昔物語
■操作の基本2 トラックでなにがおこなわれているかを理解する
インストゥルメントトラックの構成
オーディオトラックの構成
トラックにはなにが記録されているのか
〈僕流製作便利術〉ショートカットは重要
■操作の基本3 新搭載HALIONSONICSEで効率よいテンプレートを作る
16パートのマルチティンバーとして使えない?
VSTインストゥルメントラックで起動する
MIDIトラックを16個作成する
HALIONSONICSEの各パートとMIDIトラックを接続する
パラアウト設定(VSTインストゥルメントラック編)
パラアウト設定(HALIONSONICSE本体編)
音色を読み込む
どんな音色を用意しておけばいいか?
読み込んだ音色をプログラムとして保存する
プログラムを読み込む
テンプレートとして保存する
トラック名と音色を一致させる
補足2 おや!?トラックの数が増えているゾ!?
〈僕流製作便利術〉検索機能を利用せよ
■シーン1 テンポが一定ではないファイルのテンポをあわせる
新規プロジェクトを開きボーカルを読み込む
いらない部分を削除し、小節の頭を確定させる
テンポを検出する
メトロノームといっしょに再生してテンポがきちんと設定されているかどうかを確認する
曲が終わったところの調整
コラム いくらなんでもそれはムリだよ
■シーン2 Cubase付属のループファイルでドラムトラックを作成する
ループファイルを試聴する
ドラムのLOOPだけに絞る
プロジェクトのテンポとループの再生テンポをあわせる
選択したループファイルをプロジェクトに読み込む
オーディオイベントをコピペする
コラム 100〜10〜3?
■シーン3 思いどおりにパターンを作るならMIDIデータ(ドラム編)
なにが原因で機械っぽいドラムパターンになるんだろうか?
データを入力する準備
データの入力
ベロシティの調整
スネアのゴーストノートで躍動感をつける
さらに応用 右手と左手に注目!
音が低いほど遠ざかるべし
両手で演奏するプレイは常に強弱を考えておこう!
ほかのエディターで数値を修正する
コラム 曲作りやアレンジに煮詰まったら
■シーン4 音色は表現力だ!
投書から
スコアエディターの使い方を学ぼう
ブラスのフレーズがダメな原因は音の伸び過ぎ
「エクスプレッション」で楽器独特の奏法で鳴らす
ストリングスの入力と調整
スコアエディターで奏法を切り替える
コラム 最初から全力でいこう!
■シーン5 ギターの録音から修正まで、とっととやろうぜ!
オーディオトラックを作成する
VSTエフェクト「VSTAmpRack」を呼び出す
VSTAmpRack攻略法
実際の手順
録音する
修正前の準備
修正その1
修正その2
曲の途中のノイズを取る
VSTAmpRackの音色を変える
録音後にテンポを変える
テイクを重ねていいところだけを貼りあわせる
コラム イメージを口で伝えることも重要
■シーン6 断れないから困るピッチ修正とタイミング修正
マイクを使った録音方法
PitchCorrectを使ったオート編集
VariAudioを使ったマニュアル編集
AudioWarpを使ったタイミング補正
コラム トークバックに気をつけろ!
■シーン7 ミックスダウン大作戦!〜ミックスとは自分の好みとの戦い〜
ミックスの準備
使っていないトラック/チャンネルを削除する
ミキサーの体裁を整える
プラグインのエフェクトをオフにする
ミキサーでの操作〜まず大切なのは音量〜
コンプレッサー
イコライザーをかける
定位を変える
リバーブで総仕上げ
最後の仕上げのあとの仕上げ
書き出し
コラム すぐに制作に取り掛かるには
■音楽制作のヒント
マスタリング
簡易マスタリングは「イコライザー+リミッター」で
ボーカロイドにまつわるいくつかの考察
ボーカロイドとCubaseコラボ・その1 MIDI、Waveファイルのやり取りで軽快に作成する
ボーカロイドとCubaseコラボ・その2 ボーカロイドの音痴現象を解決する
ボーカロイドとのコラボ・その3 ボーカロイドのコーラス隊を作る
なんでオートメーション使わないの?
マルチチャンネルの書き出し
ドラムのパーツを独立したトラックで鳴らす
コラム Cubaseを使いこなそう
索引
僕は、Cubaseを中心にクリエーター生活を送っている。デモテープ作成、ギター録音、仮アレンジ、アレンジ本番、作曲、エンジニアリング、ミックス、マスタリングなどなど、音楽に関するありとあらゆることをCubaseを使ってやっているよ。
みんなは、Cubaseを使ってなにがやりたいんだろう?
知りたいことは、なんだろう?
実はこのCubase6のガイド本の話がきたとき、偶然ある団体のCubaseに関するアンケートを読んだんだけど、みんなの知りたいことは千差万別。単純に打ち込みの方法がわからないという人もいれば、どうやってレコーディングすればいい音で録れるのかという人もいるし、音作りの仕方がわからないという人もいれば、なんでもいいから音を大きくしたい、という人もいる。
音楽ジャンルも単純なギター弾き語りのフォークミュージックからヘビーメタルバンド、クラシック、カントリーなど、こちらも千差万別。
とてもじゃないけど、みんなの希望をすべてカバーすることはできない。もちろん、百科事典みたいに10巻セットとかなら全部解説できる自信はあるけれど、1冊のなかで全体を説明しようとすれば、ものすごく内容が薄くなってしまう。ジャンルに特化するか、手法に特化するか、機能に特化するか……。
そんなときに、ある楽器店の人の意見があった。
「これまでに出版されているような辞書みたいなガイド本はいらない」
この言葉がきっかけで、いろいろと悩んだ末に、僕の制作過程をそのままみんなに読んでもらうことにした。僕がどんなふうに曲を作りはじめて、どんな音色を使って、どんなアレンジをして、という工程や技を公開して、そのなかで参考にしてもらうというスタンスだね。
だから、「この機能について書いてない」「それはもう知っている」「取り扱い説明書と記述が違う」という感想をもつかもしれない。だけど取り扱い説明書とは役割が違うし、取り扱い説明書と同じことを書いても意味はない。それにCubaseシリーズの取り扱い説明書はとてもよくできているから(実は昔、取り扱い説明書の一部の翻訳もやったことがある。本当になんでもやってんだな、自分〔笑〕)、知りたいことはなんでも載っている。僕だってしょっちゅうお世話になっている。
ただ、取り扱い説明書をくまなく読んでもわからないのは「制作の仕方」。だから、機能的なことは取り扱い説明書を読んでもらって、この本では場面(シーン)によって、どうCubaseを操作していくかを説明していくことにした。
1つだけご留意いただきたいのは、この本を書くにあたって、あらかじめ調査した結果、Cubaseユーザーの約7割はギター/ベースを、うまい/ヘタにかかわらず自分で弾いている、というデータがあった。はからずも僕もギター/ベースを弾く。よって、どちらかといえばギタリストの角度から制作方法を解説しているという点だ。
だからギターのパートについては、MIDIデータの入力はほとんどおこなわずに、「弾いて録音する」という姿勢をとっている。もし楽器店の書籍コーナーや書店のDTMコーナーなどで、「どうやったら、Cubaseを使ってギターの打ち込みをシミュレーションできるか」という目的で本書を手にとったとしたら、そのまま本棚に戻すことをおすすめする。
それから、本書のコンセプトは「とにかく作る」という点に絞っている。よって設定の章が終わったらいきなり1曲作る。そしてミックスダウンしてファイルを作ってしまう。通常のガイド本なら、ミックスダウンやファイルの作成(書き出し)は一番最後のほうのページにあるのだが、本書では最初のほうの章で、すでに解説している。この辺りがこの本の特徴かな。
最後に、さらに念を押しておくけど、本書は「Cubase6の使い方」の本ではない。「音楽制作の手法をCubase6で解説している」ということである。どうかあなたのなかでの「Cubase6の知識が増える」のではなく、「音楽制作の知識が増える」ことを願っている。
Cubase(キューベース)といえば、パソコンで音楽制作をするソフトを代表するものの1つです。プロでもCubaseを使って音楽制作をしている人は大勢います。ハイレベルなユーザーが長年使い続けているだけに、ソフトも高機能で難解な部分も多くなっています。
そこで、本書は、はじめてCubase6を使う人を想定して書かれました。それも、実際に音楽を作る課程に沿って書かれているので、本書の通りに作っていけば、まずは1曲完成するはずです。もちろん、ハイレベルな機能や最新の機能の活用方法もわかりやすく説明。「はじめて使う人からベテランまで対応」という副題通りの内容となっています。
著者が実際の現場で音楽制作活動を行っているので、現実的なアドバイスが多い点も特長的です。
ちなみに、下位ソフトのCubase Artist6やCubase Elements6でも十分役に立つ内容となっていますが、曲を完成させるためのチュートリアル部分で、Cubase Elements6には搭載されていない機能、別の箇所でCubase Artist6にも搭載されていない機能を使って説明している部分があります。下位ソフトの参考にされる場合はご注意ください。
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