永野光浩(著)
A5判 176頁 並製
定価 2,200円 (内消費税 200円)
ISBN978-4-903238-45-6 C3055
在庫あり
奥付の初版発行年月 2010年05月 書店発売日 2010年05月10日 登録日 2010年04月06日
“初音ミク”で一大ブームとなったボーカル音源ソフトVOCALOID2を入力方法から解説。人間が歌っているようにする技や、メッセージをしゃべらせるテクニックなど、本格的にソフトの使いこなし術に迫る。
“初音ミク”で一大ブームとなったパソコンに歌を歌わせる技術。その技術がヤマハが開発したVOCALOID2です。“初音ミク”の他にも“鏡音リン・レン”“巡音ルカ”、歌手Gacktが音源になっている“がくっぽいど”や声優の中島愛が音源の“メグッポイド”、そのほかにも“ボカロ先生”“ボカロ小学生”等々と様々なキャラクター音声が発売されていますが、基本のエンジンは同じ。操作も同じです。この本では、“めぐっぽいど”を例としてテクニックを解説。もちろん、どのキャラクターのデータでも利用できる汎用的な内容になっています。
メロディの入力や言葉の入力といった基本的なところから、効率よく入力を進めていく方法。手抜きしてはいけないところなど様々なテクニックを紹介。テレビ番組のテーマ曲などの作曲で活躍する著者が、実際に声優さんの声を録音して波形データを比較しながら、より本物に近づける方法を徹底的に探りました。
その他、カラオケデータに自分の好きな歌詞を乗せていく方法や、歌ではなくメッセージを話させる技もお伝えします。
VOCALOID2という画期的な技術をいかに活用していくか。VOCALOID2の枠を越えた方法も伝授する本です。
第1章 音符を入力しよう
1 デフォルト設定の変更
2 音域
3 音符の入力
4 音符の修正
〜高さや位置を直す場合〜
〜長さを直す場合〜
第2章 課題曲「ずいずいずっころばし」の入力
1 拍子の設定
2 テンポの設定
3 グリッドライン 〜複雑なリズムの入力〜
〜グリッドラインの変更〜
〜音の高さ〜
4 1小節目の入力
5 ファイルの保存
6 2〜8小節目の入力
7 9小節目 〜タイの入力
8 10、11小節目の入力 〜シャープ(#)の入力
9 12小節目から最後まで
10 歌詞の入力
〜[歌詞の流し込み]を使って入力する〜
〜詰まる音〜
〜音符の分割〜
〜QUANTIZEの変更(さらに細かい音符の入力)〜
〜各音に1つずつ歌詞を入力する〜
〜再生〜
第3章 本当に歌っているように聞かせるコツ
1 跳ねるリズム
2 音符のノーマライズ
3 詰まる音
4 短く発音する音
5 本物の人間が歌った「ずいずいずっころばし」
6 “ゆれ”
7 ランダマイズ
8 ピッチベンド
〜フレーズの歌い出し〜
〜フレーズの歌い終わり〜
〜もう一度、フレーズの歌い出し〜
〜いろいろな場所にピッチベンドを〜
〜高低差の大きい2音〜
〜全体にうっすらかけるピッチベンド〜
9 子音と母音
10 短い音が連続した時のタイミング調整
11 ダイナミクス
12 アクセント
13 ベロシティ
14 同じ音が連続する時
15 ビブラート
16 ブレス
〜ブレスの種類〜
〜ブレスの高さ〜
〜ブレスのタイミング〜
〜ブレスの長さ〜
〜少しの隙間にブレスを入れる〜
〜トラックを追加する〜
17 全体を見渡す
第4章 他のソフトを使ってエフェクターをかける
1 ファイルの書き出し
2 OpusExpress
3 ファイルの読み込み
4 ファイルの保存
5 コンプレッサーを通す
〜フローチャート〜
6 ボーカルをダブらせる
〜コピー〜
〜パン〜
〜ファイルの移動〜
〜Opusでのファイルの書き出し〜
7 ディレイ
8 リバーブ
〜1段目にはルーム・リバーブ〜
〜2段目にはホール・リバーブ〜
第5章 既成曲のカラオケにボーカロイドの歌を乗せる
1 カラオケバージョンをパソコンへ取り込む方
2 曲のテンポを調べる方法
3 テンポ値をボーカロイドに入力したのちボーカロイドで編集を行う
4 波形編集ソフトでミックス
5 波形編集ソフトでボリューム調整
6 ファイルの書き出し
第6章 ボーカロイドで留守電メッセージを作る
1 “しゃべる”特徴
2 全データ公開!
音符の位置と[VEL]の設定
[DYN]の設定
[BRE]の設定
音符の位置と[BRI]の設定
[CLE]の設定
[OPE]の設定
音符の位置と[GEN]の設定
[POR]の設定
[PIT]の設定
[PBS]の設定
3 仕上げ作業
〜ノーマライズ〜
〜ボリューム情報の入力〜
あとがき
私はコンピュータを使って作曲や編曲をしています。飛行機の機内オーディオチャンネルには私のリラクセーションチャンネルがありますし、毎年クリスマスの時期になると、街のいくつかのイリュミネーションと一緒に私の作った音楽が流れています。自宅スタジオにはパソコンを中心として、シンセサイザーやエフェクター、ミキサー等の機材が組まれていて、ほぼ全ての作業をここで行っています。ですがボーカル録音だけはここでは出来ません。防音をしていませんから家の外の音がマイクに入って来てしまいますし、何よりボーカリストの大きな声は近所迷惑です。ですから、ボーカルが必要な時にはスタジオを借りて録音しています。しかし、ここで大きな問題を抱えることがあります。それは作曲コンペに参加するためにボーカルを録音しなければならないような場合です。コンペですから仕事にはならないかもしれません。つまりコンペに負けると、歌ってくれたボーカリストの方へのギャラとその時のスタジオ代は完全に持ち出しになってしまうのです。そんな時、初音ミクをはじめとするボーカロイドのことを知りました。“使い物になるのだろうか?”と性能についてかなり懐疑的で様子見をしている状態でしたが、そんな時、スタイルノートの池田さんから「ボーカロイドの本を書いてみない?」と誘われ、“これは丁度いいタイミング!”とばかりに導入を決めました。
ですが音符を入力して初めて聞いた感想は、「あぁ、やっぱりダメだ!これじゃ使い物にはならない。」というのが正直なところでした。でも考えてみれば、普通のシンセサイザーも同じです。ただ単に音符を入力しただけでは自分のイメージした音にはなりません。音のいろいろなパラメータをあれこれ調整してそれでようやく“これでいい”という音が出るようになるのです。きっと、ボーカロイドも同じはずです。
本書は、ただ単に音符を入力しただけでは不自然なボーカロイドの歌を、私がこれまでシンセサイザー等で培って来た様々な入力テクニックを使って、本当に歌っているように聞こえさせようと奮闘した過程をつぶさに書いたものです。
「なんだ、こんなものか!」とボーカロイドを使わなくなってしまった方へ、このソフトの使い方のヒントになれば幸いです。
VOCALOID2でボーカル音源ソフトがブレイクしました。“初音ミク”“鏡音リン・レン”“巡音ルカ”、歌手Gacktが音源になっている“がくっぽいど”や声優の中島愛が音源の“メグッポイド”、そのほかにも“ボカロ先生”“ボカロ小学生”等々、次々とVOCALOID2エンジンを使った音声ライブラリが発売されています。
この本があれば、これらVOCALOID2をエンジンとしたキャラクター音声の入力の基本から応用テクニックまでがすべて分かります。国際線の機内や高速道路のサービスエリアなどで流れる環境音楽の作曲などで活躍する著者が、実際に声優さんの声を録音して波形データを比較しながら、より本物に近づける方法を徹底的に探りました。
キャラクターの人気が非常に高いVOCALOID2関連シリーズですが、ソフトの使いこなしに徹底的にこだわった1冊です。
在庫あり
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