增田 一志(著)
四六判 176頁
定価 1,540円 (内消費税 140円)
ISBN978-4-7998-0132-1 C0093
在庫あり
奥付の初版発行年月 2014年12月 書店発売日 2014年12月19日 登録日 2014年12月04日
記憶が毎朝消えてしまう……。朝のラッシュアワー。階段から突き落とされた男。血まみれのリビングから消えた妻。ノートにこめられた記憶の真実とは……。イタリア文学を学んだ著者が繰り広げる驚きのストーリー展開。
記憶が毎朝消えてしまう……。朝のラッシュアワー。階段から突き落とされた男。血まみれのリビングから消えた妻。ノートにこめられた記憶の真実とは……。非日常的な日常をテンポ良く描くSFでありライト・ミステリーとも言える作品。特殊状況、特殊能力の下の人間には普段の生活がどう見えてくるのかをテーマに書き続けている著者が繰り広げる、驚きの展開と結末。仮フランス装のちょっと凝った装幀の一冊。
朝起きると、食卓の上に見慣れない大きな赤いノートが置いてあった。その表紙には「命のノート」と太字で大書してあり、その下に「起きたらまずこれを読むように」と書いてある。
表紙をめくる。
お前は8月7日に事故に遭い、脳の海馬に損傷を負った。
そのためにそれ以降は一日しか記憶がもたない。
今日は8月8日ではない。まず今日が何日かを確認しろ。
タイムマシンに乗ったと思え。
お前はもう会社に行く必要はない。今は休職中になっている。
障害者年金と保険金が下りるので生活の心配はするな。
今日は一日掃除洗濯してゆっくりして、好きなビデオでも見ていろ。
今日が火・金・土曜なら夕方に合気道の稽古に行け。
俺の字だ。次のページをめくる。……
文学専攻でありながら理工系に強い筆者ならではの、緻密な文章が魅力的です。専門用語満載の超大作から気軽に読める作品やコミックの脚本まで手がける筆者。今回はSF風でありながら、推理小説仕立てでもある独特の作品ができあがりました。我々の日常生活とは何か、記憶の蓄積とは何かといった本質に迫っていきます。2014年、小学館「ゴルゴ13脚本大賞」佳作受賞者によるライト・ミステリーあるいは、コージー・ミステリーともいえる気軽に読める本です。
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