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文化を楽しむ出版社

【第3回】ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲全曲演奏会 第4夜にむけて

 2009-07-05   ,

 富山では、現在ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲、全15曲をすべて演奏しようというシリーズが進行しています。富山市出身で、現在はオーケストラ・アンサンブル金沢 (OEK) でチェロを演奏する大澤 明さんが、OEKのメンバーと一緒に弦楽四重奏団を作り、この企画に熱心に取り組んでおられるのです。

 演奏会を運営しているのは、富山市は岩瀬地区に集う実行委員会です。委員の中には、私を含めて3人、クラシック音楽に詳しい人間がいますが、その他5人ほどは、特にクラシックばかりを聴いている人ばかりではありません。また、いずれも生業を音楽としておらず、専門家でもありません。

 実はこの委員会メンバーは、ショスタコーヴィチ・チクルスの前に、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲のシリーズ公演を完遂しています。ベートーヴェンの連続公演の第1回は、富山市岩瀬にある、国の重要文化財である森家で行なわれました。事前に新聞記事となったためもあり、当日は人が溢れてしまい、入場をお断りしてしまった方もいたくらいです。

 その時の余韻はいまも残っていて、7月6日には、北日本新聞ホールで、第5番、第13番、第2番の3曲を演奏する、第4回公演が待ち構えています。

 当日はサンドイッチと飲み物のサービスもあります。これはチケット料金に含まれているもので、ベートーヴェンの頃から、こういうポリシーです。もっとも当時は「ベートーヴェン弁当」という名前で (苦笑)、もう少しボリュームがあったかもしれません。

 プログラム冊子もユニークなもので、楽曲解説や演奏家の紹介が書いてあるのは当然としても、前回、前々回のコンサートを訪れたお客さんの反応や、実行委員によるコラム、はたまた富山の音楽史を語るエッセイもついていて、資料的価値も持たせています。たしかプログラム冊子については、富山県立図書館にも一部寄贈されており、コンサートだけに止まらない意義もあるのです。

 ショスタコーヴィチの公演は、知名度の点で、ベートーヴェンほどの聴衆層がいないのかもしれませんが、それでも毎回欠かさず来られている方もいらっしゃいますし、演奏者たちは、あと1回で終わるこの連続演奏会の後について、「次はバルトーク全曲だ!」と燃えておられます。

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲だけでも、北陸では大きなプロジェクトですが、ショスタコーヴィチやバルトークになると、それこそ音楽文化的にも大きなアピールとなるでしょう。

■ドミトリ・ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲全曲演奏会 第4夜
2009年7月6日 (月) 開場=18:30、開演=19:00
北日本新聞ホール
ドミトリ・ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲全曲演奏会 第4夜
演奏曲目
ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲第5番 変ロ長調 Op. 92
ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲第13番 変ロ短調 Op. 138
ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op. 68

大澤 明弦楽四重奏団 (第1ヴァイオリン=松岡 直、第2ヴァイオリン=上島淳子、ヴィオラ=石黒靖典、チェロ=大澤 明

入場料=大人 3,000円、学生=1,000円

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